「保険をかける」という言葉があります。
うまくいかなかったときに備えて、別の手を用意しておくことです。
先日、友人の子(小3)が「お母さん忘れっぽいから保険かけといた」と話していて驚きました。商品としての保険は大人でもよく分かっていなかったりするのに、言葉だけは小さな子も当たり前のように使っているなんて面白いですね。
商品として考えると「保険」とは、「日常の困ったことが起こり、自分や家族が生活するのに影響が出た時に、お金がもらえるもの」という感じです。
日常の困ったことといえば、火事や地震、台風などの自然災害、交通事故や骨折などのケガ、風邪や盲腸、ガンなどの病気、そして亡くなったときなどが思いつきますね。
元気な人たちからちょっとずつ集めたお金を、困った人にあげて、治療や家の修繕などに使ってもらい、また日常生活が送れるようにする「助け合いの仕組み」。それが保険です。
今日は「保険」とは民間保険とも呼ばれる、よくCMで見る保険会社が扱う保険のことをイメージしてください。
「保険がよく分からない」という人にその理由を聞くと「多くの会社がいろんな商品を出していて違いがよくわからない」「保障の内容がよくわからない」「お金がもらえる条件がよく分からない」といった返事が多いです。そもそも「困った時にいくら必要になるのかが分からないので十分な範囲が分からない」という人も。
ある実態調査によると、自分が契約している保険の内容を理解している人は16%なんてデータもあるくらい。昔に入ったので忘れている、というのももちろんありますが、「んー、よく分からないから妻に任せています」なんて旦那さんも多いんですよね。商品の複雑さが苦手意識を生んでいるのでしょう。
1. どんな困りごとに備えた保険に、
2. いくら払っているのか、
3. 困ったらいくらもらえるのか。
これぐらいは押さえておきたいですね。
ちなみに、「保障」というのは保護する、という意味です。
例えば「60歳まで1,000万円の死亡保障がついている」という使われ方をしますが、一定の条件下では○○の脅威からあなたを守ります、というイメージです。
生命保険でよく出る言葉ですね。
ついでに、同じ「ほしょう」という読みでは「補償」という損害保険でよく見る言葉もあります。これは既に起こった損害を補う、償う、埋め合わせをする、という意味になり、事故や災害に遭った時に効果を発揮し、損害の埋め合わせをするイメージになります。
生命保険に損害保険という名称が出てきましたが、これは言葉通り、「生命=人に関する困りごとの保険」か「損害=モノに関する困りごとの保険」か、の違い。つまり目的による分類と考えていただくといいと思います。
年金保険やガン保険などいろいろな名称も耳にしていると思いますが、起こったことや目的によって名称が分かれているだけです。
「定期保険とか聞いたことがあるけど」と思った方は詳しいですね。
そうです、それ以外には「保障期間」によっても名前がついているんです。
保険商品は
1. 何が起こったか
2. 目的
3. 保障期間(効力を発揮する期間)
の3つによって名前がつけられています。
ちょっと乱暴ですが、これを理解するだけでもかなりスッキリできると思います。
それでは、次回はどんな名前の保険があるか、というところを少し解説したいと思います。
*公的保険と呼ばれる社会保険(例えば会社員の場合は健康保険や厚生年金、雇用保険)については
ライフプランのブログで触れたいと思います。