· 

資産形成をはじめよう〜資産運用や投資とは違うの?〜

こんにちは。fpくにえだです。

先日、資産形成セミナーを開催しました。「いまの時代は昔と違って銀行にお金を預けていても勿体無いですよ、いまの時代に合った資産形成をはじめていきましょう」というお話をしたんですが、セミナー終了後の懇親会で「資産形成は投資とは違うんですか?」という質問をいただいたんですが、ちょっと驚きました。

多くの人が「まあ大体同じ意味だろう」と捉えて放っておくところに興味を持つ人は面白いなあと。

ピクニックとハイキングとか、ライブとコンサートのような感じですよね。

一緒じゃね?っていう人が多そうですが、違うとはっきり言う人もいそうな言葉。

 

私は日本で働くファイナンシャルプランナーなので、この資産形成と投資は違った意味合いで使っています。実は、金融庁がこの2つの言葉を明確に違うものと認識しているから、というのがその理由の1つです。

 

 

かつて、金融庁は「貯蓄から投資へ」というスローガンを掲げ、お金を貯め込む人たちに投資をさせようとしました。2000年頃のことです。アメリカやヨーロッパの人たちが資産の半分を投資に回しているのに対し、日本国民は半分を現金・預金、3割を保険に回していてほとんど投資していない、その結果資産の伸びが全然負けている、というデータが出ていたからなんですね。そこから15年ほどが経過し、マーケットはアベノミクスの恩恵も十分得てきている、さぞかしみんな投資で資産を増やしているだろうと調べてみると衝撃の結果。

日本人は2000年とほとんど内訳が変わっておらず、貯蓄や保険ばっかりし続けていたんですよね。

結果として欧米との資産の差は縮まるどころかどんどん広がっていたんです。

1995年から2015年までの20年間で日本の金融資産は15%増。年利換算すると1%にも満たない状態。

それに対しアメリカは同じ期間で132%増。年平均6.6%のプラスです。

                        *グラフは金融庁作成資料のままですが、数字部分のみ見やすく大きくしています。

結果論ですが、もし1,000万円をアメリカ型の資産配分で運用していたら、、、と思ってしまうのではないでしょうか。

 

運用にはリスクがつきものですから、リスクコントロールを考えたり、損しずらい仕組みや戦略を考える必要がありますが、やはりお金の知識やスキルがない「資産運用とかよく分からないし銀行に預けておくよ」という人は、銀行によってお金が守られている安心感は得られても、これだけお金を増やせるチャンスを逃しているという事実は知っておくべきとは思います。

 

 

いずれにせよ、この結果を受けて、貯蓄から投資へのシフトに失敗したことを認識し、1つの問題点として金融庁は「投資」と言う言葉にマイナスイメージが強いと思ったのでしょう、2016年に「貯蓄から資産形成へ」とスローガンを変え、つみたてNISAなどの非課税制度も拡充していきました。

コツコツ、ローリスクでしっかり増えていく、そんなイメージを植え付けたかったんでしょうね。若者にも投資信託は徐々に浸透してきているようですが、国民の資産総額からすると若者の資産は小さい。金融資産の大半は60歳以上の高齢者が握っているため、大きく割合を変えようとするならば高齢者を動かせるかどうかがポイントになってくると思いますが彼らの配分を動かす力になるのか。

金融資産内訳の変化はこの先どうなるのか、気になるところです。

 

さて、こう言う理由もあり「資産形成」と「投資」は違う言葉として私も使っていますが、大きくこんなマイ定義を持っています。

 

貯蓄  ・・・お金を貯めること。黒字家計(収入—支出がプラス)じゃないと貯蓄できない。

資産形成・・・お金に限らず、証券や不動産、貴金属など世の中が価値を認める資産(財)を増やすこと。資産運用も含む。

資産運用・・・いま持っている資産を資産の形のままでお金を増やそうとすること。資産が増えないと失敗になる。

投資  ・・・資産に限らず、人や事業など幅広く自分の資産を投じること。社会の発展のためやその企業を応援する意味合い、新事業創造に関わることが目的だったりと、自分の資産を増やすことだけでなく、他の目的もある。

 

辞書などに書かれてある意味とはズレているかもしれませんが、私はこう言う違いをなんとなく持っているので、株主優待目的の場合は「株式投資」、世界成長に連動した利益を見込んで投資信託をする場合は「資産運用」、と言う感覚を持っていたり、「元手が少ないと運用してもたかが知れているし下手をすれば手数料が足を引っ張り全然増えない、だから資産形成で元手を作り、資産運用に入るのがいい」と言うような使い方をします。

 

まあ、通じることが最も大事なので、パスタと言ってもスパゲッティと言っても相手に通じればいい、ファルファッレと言ったら通じないなら、正確に表現した言葉だったとしても避けたほうがいいかな、そんな感覚ではあります。

 

 

資産形成、資産運用、投資。違いはあれど、共通点は「お金を増やそうと行動を起こす」こと。

生涯を終える時まで、お金がないことを理由にやりたいことをあきらめてしまうことのないように、自分らしく楽しく生きるために、資産形成をはじめていきませんか?

 

興味がある方は、資産形成のワザや知っておくべきことなどを一緒に学び、実践していきましょう。

 

<<     前の記事              

<<   アメリカの子どもたちは金融教育で何を学んでいるの?